レトロチェアが残る廃理容室


いやぁ〜もうそろそろ夏って事で僕の数少ないレパートリーの中から心霊系のお話しましょうかね

昔、シェイカーを振ってみたいという理由からバーテンダーやってた事あるんですよ

お酒は弱いし全然興味も無かったんですけどね

マスターからはすごく良くしてもらってて休日は常連とか呼んでみんなでフットサルしたりする感じで雰囲気もめっちゃいいお店だったんですよ

ある日、いつものように店の鍵開けてお掃除した後は包丁使って丸氷を作るっていうのをやってたんですよ

あれ、慣れるまでは頭が痛くなるくらい冷たくて叫びながらやってたの思い出しますよ

それで丸氷を作ってるとカウンターの脇に休憩室があるんですけどそこから

たけし〜(仮名)って

僕の名前を呼ぶ声が聞こえたんですよ

え、マスター?来てたんすか?って言ってそのまま丸氷作ってたら

たけしぃぃ〜ってまた僕の名前を呼ぶ声がしましてね

え、マスター…?って呼びかけた時にそもそも休憩室の電気がついてない事に気が付きましてね

え、やだ、なにぃ?ってなって

怯えながら休憩室の電気付けて中覗いたら

誰もいないんですよ

うわ、ダメダメダメダメ!!って言いながら店の外に慌てて飛び出しましてね

マスターに電話したんですよ

早くきてぇえええ!休憩室から名前呼ばれて見に行ったらだれもいないんですけどぉぉお!?って言ったら

あーお前もかぁ…って言ってて

マスターがすぐに店に来て話を聞くと

前に同じような事があってやめた子がいたんだよねぇって話からの

前のオーナーがカウンターの上で首吊って死んだらしいよってのを聞きましてね

そんなの聞いてしまったら僕の身体はもう霊感ビンビンモードになるじゃないですか?

それからは毎回仕事中は肩が尋常じゃないくらい重くなるし

丸氷作ってると椅子がガタン!って音立てたり

休憩室からたけしぃ〜もサムタイム聞こえる訳ですよ

慣れてくると怖いというより言いたことあるならハッキリ言えば?っていうイライラが勝るもんで

はいはいはい!分かった分かった!って言いながら

丸氷作ってたら

たけしぃ〜は無くなったんですよね

ある日常連から真剣な顔で、なぁ…たけし…お前最近ちゃんと寝てるか?って聞かれて

バッチリ寝てますけどなんでですか…?って聞くと

トイレ行って鏡見てこい!って言われて

トイレ行って鏡見たら目の下がビビるくらい黒くなってたんですよ

ただ、不思議なのが店閉めて駅に着くと肩の重たさも消えてトイレの鏡見ると目の下のクマも無くなってるんですよ

そういえば、この話を知人にした時に、そのお店さぁ…繁盛してるでしょ?って聞かれたんですよ

え、あぁ…確かに立地もそんなよく無いのにいつも満席ですねぇ…って言うと

水商売的には店に霊がいてくれた方がいいんだよねぇ

寂しい人が引き寄せられて繁盛するんだよって言ってたのを思い出しましたよ

結局それからちょっとして辞めたんですけどね

マスターからは王道のバーテンダーに育てていくつもりだったから残念だよ…って言われたんですけどね

目の下真っ黒にしてシェイカー振ってる僕が王道になれる訳ないじゃないですか…ってなりましたよね

辞めた後もマスターとは月1くらいでフットサル一緒にやってたんですけどね、仕事も忙しくなってフットサルに参加もだんだんしなくなっていき、連絡も取らなくなって数年後に久しぶりにお店行った時の話は今度どこかで書きたいと思いますよ。

廃墟での心霊現象みたいのあったかなぁ…って思い返してみたんですけど、ほとんど無いんですよねぇ

鉱山集落にある廃校では廊下を子供が走ってるような音聞こえたんですけどね

その時は怖いとかじゃなくて胸がキュッてなっちゃいましたよねぇ

自然光医院では人の足音っぽいのめっちゃ聞こえたのは震え上がったけどほんと普通に他に人がいるかもっていう恐怖だったですし

でも、ずっと脂汗みたいのが止まらなくて車戻ってからも身体がダルくてその後

他にも見に行く予定だったのに帰ったんですけど帰ったらすごい元気になっちゃってなんで帰ってきたんだよぉおおお!!ってなったのは体調不良系のレパートリーじゃなくて心霊系のレパートリーに入れていいですかね?

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