あ、えっと…以上です。
これには訳がありましてね
この日最後に地図見て気になってた
ここに来たんですよ
車で坂上がって駐車スペース
みたいなところに車停めて
外出たら
おばあちゃんがいたんでね
声かけたんですよ
この坂のむこうにある
建物はなんですか?って
そしたらおばあちゃんが
旅館だったことを教えてくれましてね
営業してた頃のお話から
今では夏の夜には若者たちが来て
めちゃくちゃにして帰ると…
ひどい輩ですね!!許せませんよ!って
なって
ちょっと僕見に行ってもいいですかね?
って聞いたら
いいよ!ここで待っててあげるから
見ておいでよって言うんですよ
で、ロビー入ってね少し歩いて見てたんですけどね
おばあちゃんが外で待ってるって事が
気になって
すぐ出ちゃいましたよね…
戻ってこないってなって坂上がってきて
旅館の中まで見に来て
床踏み抜いて落っこちていったなんて
なったらたまりませんよ
あとはおばあちゃんが心配して
見に来てるの知らないで
暗い廊下でおばあちゃん立ってるの
見たくないですからね
おばあちゃんのところに戻って
お別れの挨拶しましてね
おばあちゃんは去っていったんですよ
そんでその日の宿をナビで設定してたら
コンコン…って窓叩く音がしたんですよ
目をやるとさっきのおばあちゃんでね
窓開けて、どうしました?って聞くと
近くにこういう感じの所あるよ?
って言ってましてね
え!知りたいです!って
詳しく聞いてたら
ここの前に寄った廃旅館で
したよ
ぶどうみたいな照明ぶら下がってて
お風呂素敵なところ
再び挨拶を済ませて宿に向かってる途中
あのおばぁ…いい所薦めてきやがって…
ってニヤニヤしちゃいましたよね
たぶん先輩